世界紀行

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3.学生生活、第一歩

-サンフランシスコ市立大学って、どんなとこ?
あー晴れてアメリカでの大学生になれた第一日目、カルチャーショックとは、無縁の1年間をアメリカで過ごしてきたが、ここは違っていました。用を足しに大学のトイレに行くと、何と、何と、個室の扉がない、、、。アメリカでは、個室用の扉の上下が大きく開いていて、座ると足元が丸見えなのは、体験済みだったが、安全に扉がないのは、ショックだった。これで、どうやって個室の方の用足すの?あとで、クラスメイトに聞いた話では、あそこのトイレは、治安と麻薬問題で扉が外されたそうです。気分を引き締めてかからねば、安全なホームステイでの生活から、大学内と言えども一般のアメリカ社会での生活の始まりです。

-リーテイルフローリストリーでのレッスン
学生生活がいよいよ始まりました。大学での花の学科は、アレンジメントのクラスは週に3回です。まず、月曜日が花の買い出しの日で、インストラクターと一緒にサンフランシスコフラワーマーケットに行きます。6時に現地集合して、花の買い方から教わります。全米でも2番目に大きいと言われているフラワーマーケットでの買い出しが終わるとすぐに、大学に戻って花の水揚げです。一週間分の花ですから、すべての花の束をといて、水に浸けるのは一仕事です。その後、レクチャールームに移り、その日に作るアレンジメントのテーマと作り方の説明を受けます。同じ花材で、同じ説明を受けても25人前後のクラスメイトのアレンジメントは、個性的でまったく違うものができます。それを、全体の前でインストラクターが批評します。25パターンの違うアイデアを見れて大変いい勉強になります。水曜日は、月曜日に使った花を抜いて、少し小さめのアレンジメントを作ります。金曜日は、水曜日に使った花を使い、ワイヤーリングや花の頭だけを使うアレンジメントを習います。このように、月曜日に買った花を金曜日まで使って、金曜日に作ったアレンジメントを持ち帰ると言うパターンで勉強します。花材費は、すべて大学の授業料に含まれ、さすがに花屋になる為のレッスンと言う感じです。

-メルディングポットとアメリカ文化とサンフランシスコ市立大学
さて、全米一の生徒数を誇る、サンフランシスコ市立大学は、昼間と夜間とパートタイムの学生を合わせると、何と8万人もいます。サンフランシスコは、全米で2番目に大きなチャイナタウンがあるだけあって、半分の生徒は、中国系アメリカ人です。彼らは、四世、五世以上の世代なので、中国語はほとんど話さない人が多いです。しかし、中国のドラゴンダンスを楽しみ、中国系の生活習慣だけは残しながら生活しています。日本人社会も今は、3世の人々が中心です。日本語は、ほとんど話しませんが、日本人待ちではお神輿を作って、日本町祭りの時に、みんなで担ぎます。このように、アメリカでは、それそれの民族が自分たちの文化や風習を大切に守っています。その上で、アメリカと言う大きな国の中で、それぞれの個性と文化とアイデアを出し合い、1つのアメリカという鍋の中で、交り合いながら、新しいアメリカ文化を創っています。これが、アメリカのパワーの源であり、メルディングポットのいわれです。このサンフランシスコ市立大学には、30カ国の人々が集い、勉強しています。その気になれば、大学内で世界中の人々と友達になれ、情報交換のできる場所です。

-アメリカでのアルバイト
さっそく、学生生活を支える為に、花屋でのアルバイト探しを始めました。2、3件あたって、見つけたのが日本人の人が経営する花屋さんでした。実家が花屋なので、それはもう慣れたもので、配達から掃除までの雑用を一生懸命やりました。しかし、、、3か月経ってもまったく給料が貰えません。食費にと当てにしていたので、聞いてみると、貴方は違法労働者だから給料は払えない。そのうち、おこずかいでもあげるから、とのことでした。お金の交渉に慣れていないこともあって、働かしてもらう=給料が貰えると勝手に思い込んだのが、大きな間違いだった。日本人は、お金のことを口にするのが、タブーとする風潮があるが、アメリカでは、誰がいくらもらって、どのレベルの仕事をしているのかは、公然と話されています。ここはアメリカ、異国の地です。頭では分かっていても、ついつい日本人的に考える自分がいます。さーて、これからのアメリカでの生活、どうなることやら。
あー、いい人生勉強をさせて頂いたもんだ。